若い人が我慢が足りずにすぐやめるのは危険な兆候である
よく、若い人は我慢が足りないといわれます。
確かに、昔なら我慢していたことでも、我慢せずに不満を言ったり、やめてしまう人が多くなっているのは確かでしょう。
しかし、それは世代の問題なのか? というと、かなり疑問です。
むしろ、世代の問題ではないのに、そういう問題として片付けてしまうこと自体、実は問題なのではないかと思うわけです。
会社というのは、上手くいっているときは、社員が内心で不満に思っていても、表に出てきません。
それは何も、我慢強い人が多いからというわけではなく、不満はあっても、うまくいっているのならば、それを表に出さずにやり過ごし、上手くいっている恩恵にあずかる方が得だからです。
この裏返しで、会社がうまくいかなくなると、不満が表に出るようになってきます。別に、それは、社員が我慢強いかと関係なく、我慢する利益がないのに我慢することに意味がないからです。
しかも、こういう時、不満は、優秀な社員ほど抱きやすい。
ほかに転職しても十分やっていけるほど優秀な人は、我慢するインセンティブがまるでありません。
一方で、会社にしがみつかざるを得ない人というのは、そんな状況であっても、ぎりぎりまで我慢するしかありません。
その結果、優秀な人ほどやる気を失い不平分子化して、最終的には退職するという行動に出てしまいます。
そして、残る人は、内心ではその人のことがうらやましいものの、表立ってそうもいえずに、やめた人の悪口で盛り上がることになります。
さらに厄介なのが、トップの立場からは、その悪口が本当のように錯覚してしまうことです。
やる気を失って不平分子化していれば、上から見れば、いくら優秀であっても、そうは見えません。また辞めてしまえば反論の機会はありませんから、それを正す機会もありません。
その結果どういう結論に達するかというと、お決まりの結論です。
昔は皆このくらいの事で不満をもってやめたりしなかったのに、今の若い人は辛抱が足りない。こう思考停止して、会社に問題はないと結論付けてしまいます。
実際は、我慢させるだけのインセンティブを会社が提供できていないのが原因なのに、そこに目が向かなくなります。
こうなると、優秀な人が抜ける→業績悪化→さらに優秀な人が抜けるのスパイラルにはまってしまいます。
これを止めようとするには、本当は不満の声に耳を傾けるよりないのでしょうが、それができるならこういう状態にはならないわけで、結局こうなりそうな兆候を見つけたら、社員としては、なるべく早く逃げだす方法を考えるしかないのでしょう。
これが続くと、ワンマン社長+従業員が定着しないブラック企業の出来上がりです。
かくいううちの会社も、優秀な方が次々やめているのですが、社長が、「うちの会社にいた人は、うちにいたときは全然やる気出さなかったくせに、やめてから皆活躍してる。きっとうちの会社の教育がよほどいいんだろうね。それなのに皆恩知らずばかり」と常々言っていました。
そんなわけで、自分も、下のサイトに既に登録して、転職しようかと考え中です。
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